読みやすい文章
まずはこちらをお読みくださいね。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 冒頭6分38秒 宇宙考証の解説」
http://www.sd.tmu.ac.jp/ssl/discussion_q.html
……え? そんなに暇じゃない?
頭が割れる? 偏頭痛が広範囲に痛い?
まあ、そうですよね。
ぼく自身、宇宙にも映画にもあまり興味はなく、
実を言えば「物理」という概念を嫌悪するぐらいなのですが。
しかし、しかしですね、
この文章、なぜかスラスラと読めてしまったんです。
あまりに不思議だったので、その謎を解明しようと思いまして。
わかりましたよ、読みやすさの秘密が。
ヒルの方程式は,導出も結果も,それを解くのも少々ややこしいのですが,下図のようなxyz座標系に基づいて記述すれば,以下のようになります.文字の上にある点は,ニュートン流の時間微分の表記です.点が一つのものは1階時間微分,二つのものは2階時間微分になります.位置を1階時間微分すれば速度に,2階時間微分(又は速度を1階時間微分)すれば加速度になり,従って下の式は運動方程式を表しています.
「4.ヒルの方程式」の第3段落より引用
この文章の下に連立微分方程式が記載されているのですが。
時間微分の記法なんて、
物理の分野では本当に当たり前のことなんですよね。
「ABとは、A×Bの意味でAをB回たし合わせる」くらいの当たり前さだと感じます。
それよりもその後の「増速と減速が直感に反する」の方が重要で、
時間微分なんてのは本当に取るに足りないものだと思うんです。
それを、こうして一段落分割いているのがすごいなあ、と。
普通なら「以下の運動方程式の連立である」で終わりますよ、きっと。
方程式の意味がわからないのは仕方がないにしても、
登場する記号の意味がわからないということはありませんよね*1。
本当に理解しようと思うと、
時間微分すら知らないのでは なかなか難しいものですが、
「時間微分」という言葉に聞き覚えのある人にとっては、
意味を思い返した上で式を読めるので、ありがたいと思います。
全体的に、わからない用語が現れても
次の段落くらいまでには ほぼフォローされているんですよね。
リンクも多数用意されていますし*2。
実際、映画の方もCM程度の映像しか知らないのですが、
解説と図解のおかげで何となく想像はつきました。
こういった細かい配慮が読みやすさにつながったのではないでしょうか。
ま、スラスラ読めるのと理解できているのは別物なので、
理解しやすいかということとは別の問題です。
そもそもぼく自身、内容に難癖を付けられるわけもありません。
それでも、読めないことには理解も始まりませんから、
個人的には良い文章だなあと思っている次第で。
あらゆる論文は、こうあるべきだとも思うのです。
分野によって、流儀って大きく異なりますからね。
微分一つとってもいろんな表記があるわけなので、
当たり前だとしても、明示しておくことは大切じゃないかと。
研究分野のガラパゴス*3も、そろそろやめた方が良いんじゃないかな?
……結局、当の内容には何も言及せず。
仕方ないよ、物理もヱヴァもわからないんだから。
わからないものを他人に読ませるって、これほどひどいこともありませんよね。
bit Generations [ビットジェネレーションズ] ORBITAL(オービタル)
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2006/07/27
- メディア: Video Game
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
このゲームはそういう法則に忠実なのかなぁ?
誰か、知っていたら教えてくださいな。