頭を使う単純作業

何か矛盾めいたフレーズではありますが、
「頭を使う単純作業」
こういう概念は、面白いかもしれない。


単純作業って、頭使わないじゃん。
そうなんですよ。作業自体には頭を使わないんですよ。
ただ、作業のタイミングを無意識的に考えているというか……
うにゃ、意味が不明瞭になってきました……


具体的に言うと、「掃き掃除」です。
ゴミを見つけたら掃く。
単純作業ですよね。
モノを動かしながらだと単純作業にならないので、
とにかく「掃くのみ」です。


でもそれだけだと単なる単純作業なので、
こんなシチュエーションを用意してみます。
「誰かがモノを動かしている間を縫って掃き掃除」
ときどきありますよね、こんな状況。
どちらかというとメインは「モノの移動」で、
そのついでに掃き掃除もしてくれ、と箒を託された感じですね。


モノを動かす人は、効率よく移動させるのに頭を使いますが、
「掃き掃除」をする人は、ゴミを見つけて掃くだけです。
単純な作業ですよね。
ところが、掃き掃除に没頭してしまうと、
運んでいる人にぶつかっちゃうんですよ。
だから周りを見ながら掃き掃除をしないといけないんです。
この部分が、無意識的にでも「頭を使う」部分です。


この「誰かがモノを動かしている間を縫って掃き掃除」を、
個人的には大変面白がっているわけなんですけど、
どうでしょうかね。
ただ掃くだけではつまらない。
モノを動かすのは面倒臭い。
その間をとった、「つまらなくなくて面倒臭くない」
言い換えれば、「変化があって簡単」な作業が、
面白いんじゃないかなーっと。


……それなら「頭を使う単純作業」なんて言わず、
「変化があって簡単な作業」と書けば良かったかな。ま、いいか。


で、むりやり結論につなげますが、
「ゲームの面白さ」って、そういうことだと思うんです。
「頭を使う単純作業」あるいは「変化があって簡単な作業」ですね。


「インベーダー」を持って来てみると、
プレイヤーがするのは「動いて撃つだけ」
でも敵キャラクターは「変化していく」んですよね。
これだけなんです。これだけなんだと、思うんですよ。


複雑なゲームを否定したいわけじゃありません。
ぼくはウンウンと悩むゲームも好きですからね。
その反対で、単純すぎるゲームを否定したいんです。
「ボタンをポチポチ押せば終わり」みたいなゲームとかね。
いわゆる作業ゲーというやつですよ。


もっと嫌いなのは、「複雑そうな仮面を被った作業ゲー」
開始早々、操作方法のシートを見せられ、
プレイヤーは操作方法を把握した体でゲームが開始され、
なんだかよくわからないままにボタンを押していくと、
なんだかよくわからないままに勝利を収めている。
なんなんだ、これは?


……以上は、最近の3DSの体験版をいくつか遊んだ感想なのです。
なんだか、質が低下して来ているよなー。
いや、実はもうかなり昔から質は落ちていて、
体験版で触れるゲームが増えたから気付いただけなのかな?
無料だから減るものもないと思っていると、
時間だけが着実に減っていく凶悪な罠です。
もうちょっとなんとかならないのかね。


「掃き掃除」の云々から始まってゲームの愚痴に終わるという、
なんとも後味の悪いような記事になってしまいました。
折角読んでくださっているのに申し訳ないです。
この記事でぼくが言いたかったのは、
「掃き掃除が楽しくなるシチュエーションがある」
ということだったはずなのになあ。
「頭を使う単純作業」という概念、
上手く使えないものかなあ。