数学RPG論

数学はよく、パズルに喩えられます。
あちらを立てればこちらが立たず、
なかなか合わない辻褄を
ちょっとした発想の転換
すっきり解決させる、と。


しかしぼくは、
数学は、実はRPGに近いのではないかと考えます。
はじめのうちは、雑魚と呼ばれる敵を倒し、
少しずつ経験を積んでいく。
ある程度経験を積んだところで、
少し厄介な敵に臨む。
初めは苦戦していても、
そのうち対処法を見つけ、難なく倒せるようになるだろう。
そして、そこで勝ち得た「定理」という名の武器を振るって、
「証明」という名の、強大な敵に立ち向かう。
もし敗れたとしても、
道具を揃えて弱点を見極めれば、倒せるときが来るはず。
行き詰ったなら辺りを見回そう。
前には進めなかった道もあるだろう。
新たな発想から、隠された仕掛けを解けるかもしれない。
かつて目の前に立ち塞がった敵は、
今となっては相手にもならない。
しかし、油断してはならない。
群れを成して襲い来れば、
倒し方を見失ってしまう。
冷静に、かつての状況を思い出し、
懐のメモを読み返して、
時には複数の戦略を組み合わせて、
この軍団に挑むのだ。
魔王の間に、確実に近づいている。
そして、重い扉を開けると、熾烈な戦いが繰り広げられる。
勿論、一筋縄ではいかない。
膨大な時間が、光の如く過ぎてゆく。
もうあと一歩のところでも、
とどめを刺せなければ、魔王は何度でも復活する。
倒したように見えても、真の姿があるかもしれない。
挫けた冒険者は山ほどいる。
その冒険者たちが残したもの、それを
飛躍した発想でつなぎ合わせた時、
必ず、魔王を倒すことができるだろう。
しかし、この冒険は終ることを知らない。
さらなる影を打ち砕くため、
果てしない未知の世界に踏み込むのだ、と。


どうでしょうか。