Splatoon2の初心者と「ゲーム」の初心者

昨日にニコニコ生放送でやっていた、
将棋棋士によるSplatoon2実況番組、とても面白かった!
プレミアム会員はタイムシフトで見られるはずなので、
将棋やゲームに興味のある方にはオススメしたいです。
ぼくもところどころしか見られなかったので、メモ用にリンク。


将棋☗藤田綾女流の『スプラトゥーン2』ゲーム実況 - 2017/08/03 15:00開始 - ニコニコ生放送


内容を簡単に紹介すると、
前作Splatoonでも上級者だった藤田綾 女流二段をメインとして、
最近発売されたSplatoon2のいろいろなモードを
他のゲストの棋士と遊んでいくというものです。
合間合間に、おまけ程度の詰将棋があったりします。


登場された棋士の皆さんは、やはりそれぞれにビデオゲームの実力が違います。
というか、ほとんどが初心者です。
Splatoon2の普及を目指すというのが一応の目的だったみたいですね。


それで、出演された棋士の方を、
失礼を承知で、ぼく目線での実力とともに登場順にご紹介しますと、


山口恵梨子 女流二段(中級者程度)
中村太地 六段(初心者、ゲーム経験はあり)
戸辺誠 七段(初心者、ゲーム経験ほとんどなし)
加藤一二三 九段(初心者、チュートリアルをクリアするのがやっと)


という感じになります。
いや、加藤先生が出演されると知った時点で驚きでしたけどね。
加藤先生はあまり人の話を聞かないという個人的な印象があり、
やはり対戦モードまで進むことは無理でした。


あ、ちなみに藤田女流に関しては、
少なくとも動画上で見られたスプラシューターコラボの扱いにかけては、
筆者よりも断然強いという印象で、さすがガチゲーマーだ、といったところです*1
本放送では女流棋士がゲームが上手いみたいな流れになった部分もありましたが、
男性棋士にもアナログ・ディジタルを問わずゲーマーの方は多くいらっしゃいます*2


さて、ここからが本題。
Splatoon2が発売されてから、初心者向けのエントリーも増えてきましたが、
その「初心者」とは一体誰を指しているのか、というのが問題になったりします。


いくつかの記事の中で初心者が取るべき行動として、
・初心者はとにかくステージ中央へ向かおう
・初心者は自陣から順番に丁寧に塗ろう
・初心者は敵のいないところを探して塗ろう
などが挙げられ、意見の食い違いも見られました。


これを踏まえながら初心者の棋士のプレイを見てみると、驚くと思います。
上のような行動を取る以前の状態なんです。
視点は下向き、カメラを回せない、敵が見えていない、倒したことに気づかない。
明らかに上のエントリーで対象としている初心者ではありません。


こういった「ゲーム」の初心者というのは、まずボタンからわかりません。
Splatoonというゲームは案外操作が複雑なゲームで、
無意識のうちにたくさんのボタンを独立に操作しているのです。


そもそも、移動しながらボタンを押すというのは、
実は慣れが必要な操作なのです。
初代「スーパーマリオブラザーズ」で土管を登れないという現象も
「ゲーム」の初心者においてはよくあることです。
右キーを入力しつつジャンプボタンを押さないといけないのです。


はじめは意識してボタンを押したりスティックを倒したりしますが、
繰り返しているうちに無意識に切り替わります。
それは一つの上達と言えると思うんですね。
自動車の運転だって、わざわざペダルやレバーの位置を確認するなんてことは
おそらく初心者マークを外す頃には無くなってますよね*3


「ゲーム」の初心者においては、実は「コントローラー」が第一の敵です。
ボタンがいっぱいついているだけで身構えてしまうものだったりしますから。
Splatoon2紹介の記事では大体プロコントローラーがオススメされていると思いますが、
ぼくはむしろJoy-Conから遊び始めるのをオススメします。
ボタンの数はおそらく一緒なんですが、見た目としてシンプルだと感じます。


ずっとグリップ付きJoy-Conで遊び続けていて、一応ウデマエSまでは到達しています。
伸び悩むようなら、その時に入手を検討してもいいと思うのです。
ま、地域によっては品薄のようなので、確実に欲しいならある時に買うべきですが。


……と、つまりは、Splatoon2を機に初めてアクションゲームを遊ぶという人は、
まずはじっくり操作に慣れるということが、大事だと思います。
それは一人用のヒーローモードでも、対戦のナワバリバトルでも問題ないです。
やられてもいい、実戦でワイワイやりながら覚えたいならナワバリバトルから、
案内役のホタルさん達に教わりながら一人で覚えたいならヒーローモードですね。
交互にやっていくのも、発見があって面白いかもです。


操作として、覚えるといいこととしては、
・正面に弾を撃てるように、コントローラーを傾けて維持する
・敵のインクを踏んだ時は、コントローラーを下に傾けてZRで足元を塗る
・ZLボタンでイカになって潜って、潜ったまま右スティックで見回す
冷静に戦況を見られるようになると上達が早いんじゃないかとぼくは思います。


こうした操作に慣れてくれば、次は立ち回り、動き方を考えていきます。
・自分の色のインクを上塗りしない:インクがもったいないし、敵に居場所がバレやすい
・敵のインクに近づきすぎない:敵が隠れていていきなり攻撃されることがある
・段差はすぐには降りず、上から塗ってから降りる:敵の潜伏を見破る
・敵には後ろから近づく:少しでも自分がやられる確率を減らす
まとめると、やられないように動くのが大事、ということですかね。


扱うブキに関しては、はじめはスプラローラーがオススメかもしれないと、
棋士の放送を見て思いました。
上にも書きましたが、正面に弾を撃つということが慣れないうちは難しいです。
ローラーは転がすだけなので、初心者のレベルなら敵を狙うことを必要としません。
まずはローラーを転がしながら、操作の感覚を身につけるといいのかも。
なお、ローラー自体は今作は上級者向けのブキかもしれないと言われています。


ま、これもある一人の意見でしかないのです。
誰しも初めは初心者だったわけで、初心者にはみんな一家言あるはずですから。
ぼくはゲーム経験があるとはいえ、前作Splatoonを発売数ヶ月後に始めたので、
狙いはブレブレ、ボムとジャンプの操作は間違え、倒されまくったものでした。
その中でも上達を感じられるようになると、上手くなっていけるんだと思います。


なお、サーモンランは「ゲーム」の初心者にはオススメしません。
人が操作していない「シャケ」という敵達を倒していくモードなのですが、
安全な場所がない、逃げ方を知らないと一方的にやられる、落ちまくる、
やられても自動で復活しない(=迷惑をかける)、ブキが選べないモードがある、など
操作に慣れていないと面白さが全くわからないモードです*4
ヒーローモードをいくつか進めたくらいで挑戦するのがいいかもしれません。


というわけで、これ以上具体的な方法論とかは書きませんけど、
「ゲーム」の初心者は、まずこの世界にじっくり馴染んでいくと、
楽しみが少しずつ増えてくると思います。
FPSやTPS経験者のSplatoon2初心者は、この記事よりも、
テクニカルなことが書かれている記事がたくさんあると思います。
(前回のトラップ解説は、一応テクニカルな記事かも…?)


そういえば、棋士の放送を見ていて思ったのは、
経験者はどうしても初心者にわからない言葉を使ってしまいがちだと思いました。
復活地点のことをリス(リスポーン)と呼んだりするのは典型ですね。
「サブを使え」というのもかなり不親切で、「Rボタンを押せ」とか、
「右の人差し指のもう一方のボタン」とか言わないと、とっさには伝わらないです。


一方で、棋士ならではの「符号」を使ったやりとりが面白かったです。
「76歩」とか「55角」とかいうやつですね。
55といえばそこが中央だとわかるし、13だといえば敵陣の右端にいるとわかると。
感心というか、感動しました。
「33からチャージャーが睨んでる!」すごい表現だなあ……


Splatoon2は、始めた直後はそれなりに強い敵に出会うかもしれませんが、
何度か遊んでいるとだんだん適切なレベルの敵と戦えるようになります。
頑張った上で負けてしまうというのは何も悪いことはありません。
楽しみながら上達していきましょう!

*1:一応言い訳しておきますけど、筆者はスプラシューター系あまり使わないので……

*2:将棋も対人ゲームですからね!

*3:ペーパードライバー(ゴールド)の筆者は……

*4:いろんなブキが切り替わるオンラインのサーモンランは、上級者にも厳しい時があります。ですがそこが面白く、はまってしまうと夜通し遊んでしまいますよ……