一つのデータで結論?

いいことを教えましょう。
一つのデータだけで結論を言えるのは、数学だけです。
そして同時に、
無数のデータを集めて結論にならないのも、数学だけです。


sin90°が1に等しいというのは、
一度調べれば、それで十分です。
しかし、無数のsinθを調べて、それが1以下だったとしても、
sinθ≦1を結論とすることは許されないのです。
ただ、sin90°がsinθの最大値であることさえ調べれば、
sinθ≦1が結論づけられるのです。


これは数学の世界の特徴です。
他の世界では真似てはいけません。
誰か一人にインタビューして、
これが結論です、なんてことは しないでくださいね。
たくさんのデータを取れば、
多くの世界では結論として認められるのですから。


ぼくは、データを集めるのが嫌いだから、数学をするんです。
とは言っても、発見の過程には様々な試行があり、
帰納的に*1予想を立てることが多いのでしょうけどね。
それでも、頭の中でごちゃごちゃとやって、
それをスカッとまとめるのは、楽しいものですよ。


それは良いとして。
とにかく、統計を取るときは、
どのぐらいの数が妥当かということを調べた上で臨んでください。
その数というのも、統計的結果のような気はしますが。

*1:たくさんのデータから一般の結論を得る方法のことを帰納法と言います。