落ちた鍵

路に残された一つの鍵


その鍵は
ある扉を開く為にあるのだろう
その鍵が無ければ
ある扉は開かないのだろう


扉は 鍵を 待っている


鍵は あなたを 待っている


あなたはどこかに
目の前に塞がる扉の鍵を
落としてはいないだろうか


振り返れば
扉の先に進む為の鍵が
ぽつんと落ちてはいないだろうか


路に残された一つの鍵は
独り淋しくあなたを待っている


路に残された一つの鍵は
他ならぬ あなたを待っている


路に残された一つの鍵は
その役目を果たせる時を夢見て
いつまでもあなたを待っている……




……寝言気分で書いてみたのですが、何だか出来が良いから
秒編小説にカテゴライズしちゃいました。てへっ。