-白猫-

うーん……
やっぱり進めないか……
あいつの言うように、無理なのかなぁ……


――手を貸しましょうか。


ん? まただ……
誰? 誰か居るのー?


――ええ、目の前に。


え? わっ!
いつの間に!?


「いつの間にって、貴方が二度も訪れる前から此処にいますけど?
 細かい話は今は止しましょう。
 それで? 此処を通りたいのですか?」


あ、うん。
そう、ここを通りたいの。
この岩、どんなことをしてもびくともしないんだもん。


「一つのことに執着すると、より善い成果を生み出せませんよ。
 時には今までの蓄積を捨てなさい」


……で?
どうするの?


「……
 自分で考える努力というものをしなさい。
 考えはすれど、貴方達は頭しか使わない。
 活動的に調べれば、此処に抜け道があることも私が佇んでいたことも分かるのです」


あ、ここね。
じゃあねー。


「……」