回復役

ゲーム、特にRPG的要素を含むゲームには、
必ずと言っていいほど「回復役」というポジションが存在します。
職業があるゲームなら「僧侶」だとか「ヒーラー」だとか、
キャラクター主導なら、特定のキャラクターにのみ回復手段が用意されていたり。


「薬草」のような誰でも使える回復手段もありますが、
「回復役」の技能は、汎用手段よりも効果が高く設定されるものです。
また、前衛が「回復役」を護りながら戦うというのもセオリーですね。


このように役割を特化することで、
数値化されたパラメータの総計は同じであっても、
効率よく戦いを進めることができるのです。
攻撃力や防御力、魔法力などのパラメータが均等配分になっていると、
突破口が見つからないという事態に陥りやすくなるのですよね*1


そんなわけで、「回復役」というのは重要な存在なのですが、
どうしてもその評価は低く見られがちです。
攻撃だけで勝つことはあっても、回復だけで勝つことはできません。
かといって、回復役なしでは勝ち目のない戦いもあります。
すると、「回復役は居て当然」みたいな雰囲気になります。


敵だけ見ていれば良い攻撃役に対して、回復役は敵味方を俯瞰する必要があります。
そういう意味で回復役の労力は人一倍であるにも関わらず、
得られる経験値量などは当然の如く、同じです。
とどめを刺す機会もまずなく、損な役回りなのです。


さて、ところでですが、
現実の世界において、身の回りに「回復役」は存在するでしょうか?
医者や看護師のような職業は、確かに人を回復に導く素晴らしい職業ですが、
一方で、少し表現は悪いかもしれませんが、患者さんをターゲットと考えれば、
その患者を蝕む原因を倒す「攻撃役」とも言えます。


よく「医者の不養生」などと言いますが、
中には、自身の回復を怠っている医者もいるのですよね。
そういうお医者さんは、まさしく「攻撃役」です。
そんな攻撃役を支える「回復役」的な存在が、
具体的には言いませんが、また存在するわけですね。


「ムードメーカー」という言葉がありますが、
これが現実世界での「回復役」に近いのかもしれないなと、ふと思いました。
現実において、体力の消耗ももちろんありますが、
現代社会だと「気力の消耗」のほうが激しいのではないかと感じます。
その「気力」を回復してくれる存在こそが、現実における「回復役」かな?


あなたのまわりに「回復役」はいますか?
もし見つけたら、感謝することを覚えておこうっと。
あるいは、あなたが「回復役」ですか?
もしそうなら、見えないところでのご尽力、ありがとうございます!

*1:いわゆる、赤魔導士みたいな存在ですね。