-標準-

……あのさぁ。


「なんだ?」


さっき手に入れたこの得体の知れない装置だけどさ、
『非標準モード』の方しか使ってないよね?


「それがどうかしたか?』


えっ……
だって、普通の状況では『標準モード』を使うのが普通でしょ?
道中、十数回使った気がするけど、
『標準モード』の方を使ったの、1回だけだよ?
『標準モード』と『非標準モード』、逆だと思わない?


「それは『ひょうじゅん』のかいしゃくがちがう」


……どゆこと?


「『ひょうじゅん』というのは、
 システムのつくりかたあるいはつかいかたが
 ほんらいのもくてきに そっていることだ。
 そのもくてきからはずれれば、『ひひょうじゅん』といえる。
 つまり、おまえのそのつかいかたは、
 つくりてのいしに そくしていないということだ」


悪かったね。
どうせぼくは、ひねくれてるんだよっ!


「いや、それはいたって『ふつう』のことだ。
 『ひょうじゅん』は『こせい』をころしている。
 『こせい』をもつものは、なにかしら『ひひょうじゅん』なはずだ」


……うーん、なんだかよくわかんなくなってきたけど、
結局、あんたは何を言いたいのさ。


「おまえがいいだしたのだとおもうが」


むぐ……