-褒貶-

「これでいいか」


あんた、やっぱすごいな。


「たいしたことではない」


うん、そんなにすごくもないけどね。


「……」


あ、いや、
ちょっとだけすごいなと思ってね。


「ほめているのか? けなしているのか?」


あれ?
貶してるように聞こえた?
そんなつもりはなかったんだけど。


「……ほめる、とは なんだろうな」


褒めるとは?
そりゃあ、あれだ。
実力を認めるとか、期待以上の働きを評価するとか、
そういうことなんじゃないの?


「そうだな」


それに、原動力にもなるよね。
褒められると嬉しいから、
また褒められようと思うわけだ。
そうすると、実力もどんどん上がっていくのかもね。


「……なるほどな。
 おまえ、おもしろいな」


え? そう?
そりゃどうも。


「さきに いっているぞ」


おう、わかった。
……ん?
さっきのって……
褒められたのか?