「知らないと損する」のは、知っている時と比べて、だ。

時間泥棒「知らないと損する」

内容に関心がなくても、ついクリックしてしまう記事、
それは「知らないと損する〜〜」という類いの記事です。
クリックしないと自分が劣っているように思えてしまって、
読まなければならない、という強迫観念にとらわれてしまいます。


実際に読んでみて、
「なんだ、その程度か」と思う事は多々あるのですが、
人間の心理とは複雑なものです。
今度こそ、良い記事に違いないとか思うんでしょうね。


おかげで、ほんのひと時のネットサーフィンのつもりが、
気付けばこんな時間か、なんてこともしばしば。
困ったものです。されはさておき。

なぜ「知らないと損する」のか

「知らないと損する」というタイトルについて、
冷静に考えてみましょう。
そもそも、なぜ「損する」のか。


それは、その内容を「知っている時と比べて」
知らない時の方が損をしている
、ということです。


大概の新しい情報は、知っている時の方が得でしょう。
取引するにしてもコンペに勝つにしても、新鮮な情報は有利です。
だから、「知らないと損する」ってのは、
当たり前のことを言っているだけなんですよね。

「損する」=「劣ってる」??

「知らないと損する」のは当たり前なんです。
だけど、そんな当たり前の事に引っかかって、
ぼくらはポチポチとクリックしてしまうわけです。
それはきっと、勘違いしてるんですよね。
「知らないと他の人より劣ってる」と。


たいていの人間は劣っている事を嫌うそうですから、
そして優越感を得たいそうですから、
そのためなら労力は惜しまないのかもしれません。


ところが、残念な事に「知らないと損する」記事は無数にあって、
「損する」と「劣ってる」を混同しているうちは、
どれだけ知識を仕入れても、やはりある部分では劣ってしまうのです。
これこそが、「知らないと損する」記事が栄え続ける仕組みなんでしょうね。

知らなかったら損しないのでは?

さて、こんなことわざを一度は耳にした事がありますよね。
「知らぬが仏」ってやつです。
ここで「仏」というのは、「にこにこして優しい」の象徴なんです。
つまり、知らなかったら平和だ、ということです。


「知らないと損する」のは当たり前だと述べましたけど、
それは「知っている時と比べて」でした。
ここで言っている「損する」とは、相対的に見た損を指しているんです。


ならば、絶対的な損を考えてみましょう。
そもそも、記事を読むという事には時間と労力がかかるので、
少なからず損はあります。
そして、仕入れた情報で勝ち取った得を差し引けば、
絶対的な損になるんじゃないでしょうか。


何もしなければ、損はありません。
もし記事を読んだ時間や労力に得が見合わないと思えば、それは損です。
効果があったと思えたなら、もちろん得です。
こう考えてみると、実はたくさん損をしていたりしませんか?

損得なく楽しみたい

とまあ、損とか得とかいろいろ考えましたけど、
こういうのって、効率化につながると思うんですよね。


「知らないと損する」というのは、
ここだけ押さえておけば損しない、ともとれます。
「これだけは知っておけ」なんて言う記事も、
よく人気記事に上がりますよね。


最近は多くの人が効率を求めているように感じるのですが、
ぼくにはそれが正しいとは思えないのですよ。
効率化すればするほど、楽しくなくなっちゃう、
そんなふうに感じるのです。


話の流れとしては、
「知らないと損する」類いの記事は不要だ、となっているかもしれませんが、
ぼくの要望はもっと単純で、
「知らないと損する」というタイトルをやめてくれ、なんです。


強迫観念の中で読んでいるような気分にとらわれることと、
そのせいで記事が不当に評価されている場合があること。
タイトルの付け方もテクニックの一つだとは思いますけども、
それなら内容も伴ってくれ、と言うのが筆者の願いであります。


ま、細かい事が気になって仕方のない
ぼくの性格に起因することなのかも知れませんけどね。
おおらかな性格に憧れたりもします。


いやあ、しかし、
慣れない構成で書いてみたのですが、
なかなか難しいものですねえ。
おかしな部分があれば、もちろんすべて筆者の責任です。
ずばっと指摘しちゃってください。