主張って?

「主張」と言えない主張をしている人を
たまに、いや、よく見かけます。


「主張」というのは、自分の意見を通すことです。
主を張る、つまり自分を大きく見せるんです。


だから、はじめから
「あの人がこう言っていたから」と言うのは、主張じゃない
他人の意見というのは、
自分の意見を述べたうえで「あの人もこう言っていた」と、
主張を補強するために使うものです。


コピーとか引用とかが簡単な時代ですから、
なんでもかんでも形式に則ろうとする人が多いように思います。
形式が大事な場合もありますけど、
しかしやはり、内容が大事なんです。


ところが、いくら自分の意見を言っていても、
説得力がなければ主張は弱くなります
特に主観、自分の一方的な考えを押し付けては、
相手に受け入れてもらえません。

「りんごはまずいからデザートに出すな」

という主張があったとします。
でもこの主張は、まず受け入れてもらえません。
何故なら、「りんごはおいしい」という客観的事実があるからです。
「りんごはまずい」というのは、明らかに主観です。


自分の意見を通すのに、
自分の一方的な考えを押し付けてはいけないというのは、
矛盾するようにも思えます。
ですが、「客観」という視点で見れば
案外解決できてしまったりするのです。


「客観」とは、他人の意見ではありません。
どんな状況でもそう考えるだろう、というような意見です。


「りんごはまずい」は人によって考えが変わります。
そこで、「りんごはまずいと思う人がいる」にすれば、
多くの人は頷くでしょう。
「デザートに出すな」も「出していいか聞くべき」にすれば、
りんご好きも怒らないでしょう。

「りんごはまずいと思う人がいるから出していいか聞くべき」

この主張なら、了解してもらえそうな気がします。


「主張」とは、自分の意見を通すことであり、
かつ、状況によって揺るがないこと
これが出来れば議論に負けない、というのがぼくの主張なのでした。


……因みに、
ぼくはりんご好きですよ。
ただ、アップルパイとかは苦手です。

「りんごそのものが好きな人がいるから、
 アップルパイにする前に好みを聞いて欲しいな」