-反転-

ここを登って行くのは、なかなか辛いね。
なんか良い手立てはないの?


「登ると考えるのは自然な考えですね。
 では、登るより楽なことは何ですか?」


え?
んー……
降りる、は楽だと思うけど。


「ならば、降りることを考えてみましょう」


はい?
上に行きたいのに、降りてどうするのさ。


「私達から見れば上方に他なりませんが、
 彼らからすれば私達は下方にいるはず。
 何かしらの解決策があり得るかもしれません」


どういうこと?
よくわかんないんだけど……


「勿論、今のは一つの喩えにすぎません。
 そして、これは一つの事実でしょう。
 あれを御覧なさい」


あ、あれは……
なんとまあ、わざわざおいで下さったよ。
もしかして、あんたはこれを見越してたのか?


「……」


その顔……
たまたまだったって感じだね?


「……」


図星だ!
ま、いいや。
本題はここからさ!