発見の喜び

ぼくは以前、かなり大事なものを失くしたことがありまして。
以来、未だ見つからず悔しい思いをしていまして。
そのため、落とし物をしたかもしれない、なんてことを聞くと、
取り返しのつかない事態を想像してしまって、
他人のものであっても、大事なものではないと言われても、
それはもう狂ったように血眼になって、
なんとかして見つけなければ、と思ってしまいます。
しつこすぎて、迷惑をかけていることもあるかもしれません。
しかし、ぼくにとって失せ物によるダメージというのは、
とてもとても大きいものなのです。


しかし、どんなに注意していても無くし物と言うのは起こるもので、
最近、あるものが見当たらなくなって困っていました。
掛け替えがきくものだったのでダメージは少なかったのですが、
どこか出先で落としてしまったのだろうか、などと
心配が重なって、心苦しい状態でした。


もう諦めて、新しいものを買おうかな、
そんなことを考えていた矢先でした。
ちょっと前に整理した箱に、
探し物がぽつんと入っていたのです。


いやあ、感動しましたよ。
ただ失くして、ただ見つけただけなのですが、
その感動は、ただの感動じゃなかったのです。
発見の喜びというのは凄まじいものだと感じました。
しかし、その喜びの前には、それに匹敵する辛さがあるので、
何とも複雑な心境でした。


更に、その喜びの後には激しい怒りが。
実は、整理した箱と言うのは、
知人が勝手に整理した箱だったのです。
そりゃ見つからないわけだよ。
どんなに注意していても、失くしてしまうわけだよ。


苦しみと喜び。
親切と迷惑。
いろんなことを感じた一ヶ月間でした。
何はともあれ、見つかって良かった!!