様々の時代ありき

ある有名哲学者の、聞き慣れないフレーズ
「わたくしは考える、ゆえにわたくしはある」


……?
なんか聞き覚えのあるような、ないような、あるような……
え?デカルト
でもそれは、「我思う、故に我在り」でしょう?


最近は、外国の有名なフレーズ・命題や書物のタイトルなんかが
現代標準語で訳し直されているようです。
それは、現在の教育の観点から自然な流れなのかもしれないですが、
ツァラトゥストラはこう言った」と言われると、
なにかこう、がくっとくるものがあります。
威厳を感じられないというかなんというか……
やっぱり、「ツァラトゥストラはかく語りき」の方がしっくりときますね。


しかし、いずれにしてもそれは邦訳であって、
原文のニュアンスとは、なかなか一致しないでしょう。
もしかすると、軽く「こう言った」だけなのかもしれませんし、
本人に直接聞く外ないでしょう。まあ無理ですけど。


大事なのは、「わたくし」か「我」か、ということではなく、
cogito, ergo sumを解することでしょう。
でも、なかなかそこには辿りつけないわけで、
ただその命題を知って、色々の訳があることを話題にするしか
ぼくには出来ないのでした。


でもさ、そんな沢山の訳を付けるくらいなら、
初めから原文で教えてくれりゃあいいじゃないか。
そうすれば、歌でも詩でも覚え直す必要がなくなるんですよ。
「きらきら星」とかさ、「春暁」とかさ。