左がわからない人に「左へ」と言えるか

「自分は説明が苦手だ」
そう主張する人が、時々います。
あるいは、「説明できますよ」と言って、
あまりに的外れな説明をされる方も、
これまた少なからずいらっしゃいます。


意識はどうあれ、説明というものは難しいもので。
「わからない」ことを
「わかる」ようにする

それが説明というものですからね*1


説明の対象にもいろいろあって、
比較的簡単なのは、「モノ」の説明でしょうね。
「いちご」を説明するとしたら、
赤い、果物である、甘い、食べられるといった、
特徴を述べればいいわけです。
すると、似たような特徴を持つものを
「いちご」と認識できるようになるのです。


「方法」の説明も、容易い部類ではないでしょうか。
真似できるかは別として、
機械を動かすなら、ボタンを押すとかレバーを引くとか。
演奏するなら、穴を塞いで息を吹くことでこの音が出ますよと。
ボールを蹴るには、足を振って勢いよくボールに当てなさい。
これらの場合、お手本があればなお効率よく伝達できます。


説明する対象として、
最も難しいと思われるものが「概念」の説明です。
いちごの特徴を述べるのは難しくないと書きましたが、
その特徴、「甘いとは何か」を説明するのはなかなかに至難です。
方法を説明する際にも、「動作」が何を意味するか、
「当てるって何?」と問われると困ってしまいます。


左に進めば辿り着けると教わっても、
「左」と「進む」がわからなければ辿り着けないんです。
教えるべきは、「左」と「進む」なんですよね。
もっとも、これは単純な例に過ぎず、
実際はもっと複雑な事情になりますけども、
突き詰めてしまえば、こんなに単純なことなのかもしれません。


とまあ、だんだん眠くなってきたので
説明できたのかどうかがよくわかりませんが、
実は「基礎」が抜けてるかもしれないよ、ということ、
これを言いたかった気がします。
教える側も学ぶ側も、「基礎」を大事にね。
……というと、一般論みたいで嫌なんですけどね。

*1:これは「説明」についての説明であるわけですが、説明になっているでしょうか?